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「全開ガール」若葉へ [執筆ドラマ]

若葉へ

#11の放送が終わり2週間。新垣さんも、他のキャストやスタッフも、みなもう次の仕事に勇往邁進し始めている。けれど、新垣さんが演じた若葉の鮮烈な印象は、私たちの網膜の裏に焼き付いたまま、この先も消えることはないだろう。

新垣さんは、正直役づくりが大変だったと思う。辛辣で、不遜な女———
それはこれまでの彼女のイメージにないものだ。それだけでもチャレンジだと思うが、コメディ部は演出で脚本に増してアッパーな演技を要求される。たおやかなイメージの女優さんが、その殻を破りあそこまでやるのは、相当な覚悟が必要だ。
このドラマをみた多くの人が、彼女のCMイメージも重なり、「ガッキーは若葉のような元気で強い女性」と思ったようだが、それは違う。若葉は、新垣さんの役作りによる、賜物だ。

新垣さんが若葉と被るところがあるとすれば、それは”内なる闘志”だろう。
役づくりの苦労も、撮影の苦しさも、外には露出せず、内包した。そして、時にプロデューサーや監督と議論したりしながら、次第に若葉に同化し、最後には、内から熱いマグマを放出してくれたと思う。
厳しかった監督も、「最後、駆け登ったね」と褒めていた。私もそう思う。
ドラマ前半戦、ポールボキューズの撮影を見に言った時のこと。第1話の完パケを見たばかりの私が「若葉最高!」と声をかけたら、「ホントですか?」と笑った新垣さん。
もちろん本当です。脚本を書く私も、途中あれこれ悩む。本打ちで意見が合わないこともある。でも、新垣さん演じる若葉をみて、迷わず最後まで書ききれた。
主役に魅力がないと、書いていてもテンションは上がらない。けれど私やプロデューサー、監督が、「本当に楽しかった」と繰り返し言うのは、新垣さんの若葉が魅力的だったからに他ならない。
視聴者の皆さんから、「若葉に励まされた」「今日も負けずに頑張ろうと思う」といったメッセージが多数寄せられたのも、そういうことだと思う。
他の仕事のPやDから言われる。「ガッキー凄くよかったね。幅が広がったね」
まだ23歳。これから増々成長し、注目され、若葉同様、前進し続けていく女優さんに違いない。

最後に1つ、素敵なエピソードを。
かつて国民的アイドルであり、今は演技派の大女優である薬師丸ひろこさん。
新垣さんは、女優として、薬師丸さんから大きな贈り物をもらったと思う。それは画面を通しても伝わってきた。最終話の若葉と桜川昇子の対峙は、本当に”入った”いい演技だった。
打ち上げで、薬師丸さんの手をしっかととり涙を滲ませ、感謝のオモイだろう、伝えていた新垣さんの真摯でひたむきな姿に、感銘を受けた。そこに、1人の女優の未来をみた気がした。

またいつか仕事をしたい、そう思う女優さんだ。
新垣さん演じる若葉に出逢えてよかった。心から感謝したい。



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